スポーツ障害

スポーツ選手に起こりやすいスポーツ障害の症状

野球肘・野球肩・テニス肘・ランナー膝・ジャンパー膝・オスグッド病・シンスプリント・かかとの痛み…など

このような障害はスポーツマンだけでなく、日常生活で同じ動作を繰り返して体を部分的に酷使するような方(例:パソコンをよく使う、ハイヒールを履くなど)にも起こります。 感じる痛みが一時的な場合が多く、少し休むと痛みを感じなくなるためそのまま放置してしまい、それを繰り返していると症状が進行し、重症化してしまいます。
姿勢やフォームが崩れ、間違った筋肉の使い方をしていると、体のあらゆる部位で負荷がかかり他の部位の障害にもつながります。
治療とあわせて普段どのようなフォームでトレーニングをしているかを確認しながら、フォーム改善をしていきます。
(また、症状によってはスポーツ整形専門医への紹介もさせて頂きます。)

野球肩・野球肘早期発見のために定期受診をおすすめします。

早期発見のために定期受診をおすすめします。

野球肩や野球肘とは投球動作により発生した肩や肘の障害の総称です。
原因としては投球過多や投球フォーム動作不良などにより、骨、筋肉、靱帯、腱に繰り返しストレスが加わり損傷を受け、炎症を起こす事で痛みが発生します。
特に成長期では骨が柔らかく弱い部分に負担がかかり、肩では上腕骨上端部の成長軟骨への障害が起こるリトルリーガーズショルダー、肘では投球時に内側部に外反強制が加わり強いけん引ストレスにより損傷を受けます。外側部では外反力が働き、上腕骨小頭に圧迫力と剪断力が加わり、上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が発生します。

治療法

筋肉の緊張が強く、可動域制限が出ている所にはラジオスティムでストレッチを行いながら温熱を加え可動域を広げていきます。 痛みがある所には超音波治療器を使い、損傷部位の組織の回復を早めます。
運動療法では体幹トレーニングやセルフストレッチ指導、フォーム改善指導を行います。

オスグッドシュラッダー病

成長期に多く見られる「オスグッド病」は成長期のスポーツ障害の代表疾患で、膝のお皿の少し下あたりの骨の部分がポッコリと膨らみ痛みを伴う軟骨の炎症です。成長期の骨の急成長に筋肉や腱の成長が追い付かず、相対的に身体が硬くなる時期でもあるためももや膝、すね回り、足首の筋肉の柔軟性が低下します。
それを契機に、サッカー・バスケット・テニス・バレーなどでダッシュやジャンプなど膝の屈伸動作が繰り返される事により、子どもたちの成長期でまだ柔らかい膝下の骨が筋肉に引っ張られることが原因で起こります。

治療法

患部には物理療法で痛みを軽減し、その他に大腿四頭筋(大腿部の前側)の筋緊張が強い事が多い為、正しいストレッチ方法の指導を行い、ご自宅でもセルフケアを行っていただきます。また、ジャンプの着地動作やダッシュ動作などでももの前側の筋肉を使いすぎてしまう動きでケガが起こりやすくなるので、お尻の筋肉やハムストリング(大腿部の後側)を使っていく動きを習得していただく事でパフォーマンス向上やケガの再発予防につながります。

ランナー膝(腸脛靭帯炎)・ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ランナー膝やジャンパー膝はマラソンランナーやバレーボールやバスケットボールのようにジャンプを繰り返す動作が多いスポーツで発生するスポーツ障害です。
症状としては膝の曲げ伸ばしや階段の昇降時、ランニング中などに痛みが出てきます。膝の外側に痛みが出るものがランナー膝、膝のお皿の上側や下側に痛みが出るものはジャンパー膝と言います。
ランナー膝の主な原因はランニングやジャンプ動作を繰り返すことで太ももの外側についている靭帯(腸脛靭帯)が膝の外側の出っ張っている骨(大腿骨外顆)との摩擦で炎症を起こし、痛みが生じてきます。
ジャンパー膝もジャンプや着地、ダッシュやストップなど、急激な動作を繰り返す事によりお皿の下(膝蓋腱)に痛みが生じてきます。

治療法

オスグット病と症状が似ており、治療法なども同じ事を行う場合が多いです。患部には物理療法で痛みを軽減し、その他に大腿四頭筋(大腿部の前側)や大腿部の外側の筋緊張が強い事が多い為、正しいストレッチ方法の指導を行い、ご自宅でもセルフケアを行っていただきます。また、ジャンプの着地動作やダッシュ動作などでももの前側の筋肉を使いすぎてしまう動きでケガが起こりやすくなるので、お尻の筋肉やハムストリング(大腿部の後側)を使っていく動きを習得していただく事でももの前側の筋肉の使い過ぎを減らし、痛みの軽減を目指していきます。

シンスプリント

シンスプリントと呼ばれるそのほとんどが下腿内側部(脛骨1/3下方の部分に多い)に痛みが発生する「脛骨過労性骨膜炎」を示しています。すねの内側を押さえると痛い、走ると痛い、練習後に痛みが出る、休むと少し楽になるが練習するとすぐ痛みが出るといった症状がある場合は、シンスプリントを疑います。我慢していると「疲労骨折」を起こす事もあり注意が必要です。
陸上の長短距離のランナーやバレー、バスケットボールなどジャンプやダッシュを繰り返すスポーツ選手に多く、原因としては悪いフォームでのランニング、硬い地面の上でのランニングやトレーニング、足趾や下腿部の筋力や柔軟性不足、扁平足や回内足などさまざまです。

治療法

患部にはラジオスティムや手技やストレッチなどで筋緊張を軽減させたりテーピングを貼り痛みを和らげていきます。
次に原因となっている扁平足や筋力不足がある部分にはエクササイズやストレッチを行い患部の筋肉に負担がかからない動きが出来るようにします。
シューズに原因がある場合では正しいシューズ選びやインソールを入れていただく事により、痛みの軽減や再発予防にもなります。

かかとの痛み、シーバー病

かかとの痛みで良く見る症状としてはかかとの裏に痛みが出たり、成長期の子供に多いアキレス腱のくっついている所が痛くなる「シーバー病」などがあります。朝の起床時の歩き出しで強い痛みが出たり、かかと部分を押すと激痛が出るのが特徴です。かかとの裏や「シーバー病」で痛みが出る原因としては、足の裏が扁平足になっていて、歩行時に地面との衝撃吸収が効率よく行われない為に起きたり、ふくらはぎや足の裏の筋肉が硬くなってかかとの骨を引っ張ってしまったり、体重増加により負担が増えるなど様々です。

治療法

まずは足の裏やふくらはぎのストレッチを徹底的に行い、患部には手技を行って超音波治療器を当てたりテーピングを貼り、痛みを和らげていきます。次に原因となっている扁平足や筋力不足がある部分にはエクササイズを行い患部に負担がかからない動きが出来るようにします。シューズに原因がある場合では、正しいシューズ選びやインソールを入れていただく事により痛みの軽減や再発予防にもなります。

テニス肘・ゴルフ肘

テニスやゴルフ選手に起こりやすいテニス肘やゴルフ肘ですが、これは外側上顆炎といって手首や腕の使い過ぎによって肘の外側にある外側上顆と言う部分に炎症が起きて痛みを感じます。
(テニスやゴルフ以外でも日常動作で腕を使い過ぎても症状が出ることがあります。)
主な症状としてはカバンを持つ時やペットボトルのキャップを開けるなどに肘の外側に痛みが出ます。
テニスやゴルフで痛くなる時の特徴としては前腕部の筋緊張が強かったり、肩関節や胸や背中の可動域が悪くなっていて、それを補うために結果的に手首を使い過ぎてしまう事が多いです。

治療法

まずは患部に影響を及ぼしていると思われる手首や前腕部を緩めていきます。その他、肩関節や背中などの可動域が悪ければストレッチなどで可動域を拡げていきます。患部には電気や超音波治療器を当てたりテーピングを貼り痛みを和らげていきます。
ご自宅ではセルフストレッチを覚えていただき再発予防を行っていただきます。

スポーツをがんばるお子様の親御様へ

スポーツをしていて、「いつも同じところを痛めている」「うちの子はケガをしやすい」などと感じたことはありませんか?

あまりピンとこない方が多いのですが、その痛み・ケガの原因はスポーツの時だけでなく、実は普段からの姿勢・歩き方・物の持ち方などのちょっとしたクセと無関係ではありません。そこを改善していかなければ、同じケガを繰り返すだけでなく、人体は無意識に悪い部分をカバーするようにバランスを取ろうとするので、正常な部位に大きな負担をかけてしまい悪い連鎖が起こってしまいます。
ケガをした時は体と向き合うチャンスです。なぜ痛めてしまったのかということを追及し、体の使い方の改善を一緒にしていきましょう。
特に小学生くらいのお子様は今後の体づくりや運動能力を左右する大切な時期です。お悩みを持つ多くの親御様方のお力になれるよう、当院では専門家としての治療・アドバイスをさせていただきますので、気になることがあればいつでもご相談ください。